2016年3月22日火曜日

お彼岸のお参り

今年は3月の17日から23日がお彼岸です。

ズラリとお墓のほとんどにお花がお供えされているのを見ますと、多くの方が亡き人ご先祖様にご挨拶に来られ、今日のこの命に感謝の念を伝えられたようです。
花と御線香の香りに心が安らぐお彼岸です。
お彼岸の中日でもある春分は国民の祝日となっており、自然をたたえ生物をいつくしむ日になっております。

お彼岸には、生きとし生ける命、今日を生けるこの命をもたらしていただいた仏様、ご先祖様に感謝することが大事でありましょう。合掌。

2016年3月1日火曜日

梅開早春

梅開早春。

という言葉があります。

梅は早春に開く、と読みます。
梅は春に咲く、ということです。

当たり前のことです。


ですが、道元禅師は、

梅は早春を開くと読みます。

禅の世界では、

梅が咲いたから春となる

と考えます。


気象予報士が春といった。春になった、だから梅が咲いたではないのです。人間が頭のなかで考えた春と名前を付けた概念が先にあるのではありません。

禅では、梅が咲いて、それがあちこちで起これば春がやってくる。
春という概念が先に来るわけではなく、梅の一つ一つが咲いたという具体的な一つの現象があり、それがあちらこちらで春という大きな現象となり概念となる。

ひとつの梅が咲くという事実、生命にまず重きを置き、春という大きな生命の動きを知る。

禅の真髄でしょう。

我々の一人一人の命を梅とすれば、それが社会にどう関わるのか。

大きな春という生命を作るのは梅という、ひとつひとつの命なのです。

毎年やってくる春という大きな生命の芽吹きの季節。
それをもたらすのは取り替えのきかないひとつの梅であり我々一人一人のかけがえのない命なのです。